DOORS

本日は8時前に帰宅し、DOORS(TBS系 特番 2005/09/19 18:55〜22:54)を途中から観ました。
TBS50周年特別番組ということで大掛かりな番組であるということは聞いていましたが、いやぁー、すごいセットだった。
前日の予告番組で企画から本番までの道のりを紹介していましたが、入社2年目のAD(当時)が3年前に書いた1枚の企画書が元になって制作が始まった番組だそうです。1つ1つの扉の向こうにアトラクションがあり、クリアすると次の扉が待ち受ける。それらがつながっていて大きなテーマパークになっている。テレビゲームの世界ではよくある設定ですが、それが実体化されることは中々ありませんでした。


過去の番組で大金をかけて作られたセットといえば「超次元タイムボンバー」(テレビ朝日系 1996年10月〜1997年9月)の「THE FALL」のフリーフォールの機械。制作費1億円とも言われる番組の目玉となるセットがありました。これは1時間に5種類あるクイズアトラクションの内の1つで、他の物とは完全に独立したものでした。今回のDOORSの様に全てのアトラクションが連結しているという形のセットは日本ではあまり無かったと思います。(1994年10月から放送された「出てこい!ムーチャス」(日本テレビ系 読売テレビ制作)というスタジオの大きなセットが幾つかのゲームに分かれているという形式のゲーム番組があったが、ゲームの前に歌審査があるという、よくわからないシステムがあったり、番組的にもあまり盛り上がらず、また翌年発生した阪神淡路大震災の特別番組への差し替えの影響もあり、3ヶ月ちょっとで終わった。)アメリカでは大掛かりなセットを使ってのゲーム番組が幾つか存在するそうです。例えばNBCテレビの「DOG EAT DOG」はスタジオ内に巨大なプールがあり、それを中心に幾つかのゲームが行われる番組です。同じくNBCの「Fear Factor」は大掛かりなスタント(ヘリコプターを使ったアクションや、高所に設置した骨組み上での競技)があります。DOORS第7アトラクション「ヒュースポン」は高所での恐怖心との戦いの要素があったので、このゲームはFear Factorに近いものがあったと思います。


今回のDOORSのゲームは「SASUKE」とは違って誰にでもクリアできる可能性のあるものでした。難易度と出演者のバランスが適正であったので、ファイナルに1チームが残るという結果になりました。ゲームバランスは良かったのですが、視聴者が1つ1つのゲームを特番として楽しんで観ることが出来たかについては、少し疑問が残ります。それぞれのゲームは、今までありそうで無かったものや、今まで観たことのある様な感じの物を少し改良しているものがある、といった感じでしょうか。「50周年特別番組」なんだけど、1つ1つのゲームはいまいちインパクトに欠けていて普通かな、という気がしました。最初のアトラクションにあった巨大なドアが倒れてくるものは技術的には大変だったそうですが、実際テレビで見てみると大したこと無いという印象でした。でも単発の企画としては弱いけど「東京フレンドパークⅡ」の様に毎週放送しても飽きずに見られるゲームも多かったと思います。


ゲームの難易度が高くない・1つのテーマパークになっているという事から、芸能人がプレイしているのを見るよりも、実際に自分がやってみたいと感じた視聴者が結構いるのではないかと思います。一夜限りという儚さも番組のコンセプト的にはそれはそれでいいのですが、「50周年特別サービス」としてテレビ放送とは別に一般の人も実際に本物を体験できるという試みがあれば、まさに夢の企画となったのではないでしょうか。入場料とっても結構やる人は多いと思いますよ。50年のテレビの歴史の中で色々なゲーム企画が制作されてきましたが、それの積み重ねがあるために今後全く新しい企画を作るのは段々難しくなっています。新しいい1つい1つのゲームを考案することも大事ですが、もっと大枠のところ(今回のゲーム全体を1つのテーマパークにするというアイディアや、私の先程の視聴者が実際に同じものをテレビ以外の場所で体験できるという提案)が新しいものを生み出す鍵になるのではないかと考えた1日でした。